高次脳機能障害を考える
サークルエコー
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SSKU

     

VOL.24(2006年5月号)

 

[主な内容 ]               

・地域支援事業がテーマ                 

  (JTBIA & TKK)             

・モデル事業終わる・・・

  サークルエコーの活動を通して

・スタートした「障害者自立支援法」 

・伊地山さん親子を講師にお招きして

・行事・会合報告 

平成17年度決算報告

――― わたくしたちの会は―――  事故や病気によって脳にダメージを受けると、新しいことが覚えにくくなったり、意欲が低下したり、感情のコントロールが難しくなるなどのため社会生活の様々な場面で問題が生じることがあります。このような後遺症を高次脳機能障害といいます。目に見えにくい障害のため、社会の理解を得にくいこと、したがって現行の福祉制度を利用することが難しい点が大きな問題となっています。サークルエコーは、高次脳機能障害をとりまく様々な問題の中で、特に日常生活に「介護」の必要な重度の障害について取り組んでいます。  

 

週末の活動場所 「えこーたいむ」第1・3 (土 ) pm 1時〜5 時

渋谷・神宮前作業所 
事務局:〒2010013 東京都狛江市元和泉2−7−1 TEL 03-3430-8937



地域支援事業がテーマ(JTBIA運営委員会 & TKK定例会

4月2日、新宿区の戸山サンライズで日本脳外傷友の会(JTBIA)の運営委員会が開かれ、全国各地の脳外傷友の会と準会員団体の代表ら約20人が出席しました。東川会長の会計報告、事業報告などのあと、それぞれの友の会から資料が配布され、地域での活動や各自治体の高次脳機能障害への取り組みについての報告がありました。NPO法人を申請中或いはすでに設立した、助成金を得て講演会を開催し報告書を作成した、作業所など具体的な当事者支援の実績をさらに重ねた等、活発な活動の報告が相次ぎました。高次脳機能障害支援の普及事業に対する自治体の予算の多寡は関心を集め、地域事情についての質問が飛び交いました。

準会員団体のサークルエコーからは、会員構成の特徴、TKKの活動、東京都の高次脳機能障害者支援事業、さらには特別に時間をいただいて、3月に視察したオーストラリア・ブリスベンの脳損傷事情について報告しました。

412日には、東京高次脳機能障害協議会(TKK)の定例会(隔月開催)が三軒茶屋近くの世田谷ボランティアセンターで開かれました。昨年、高次脳機能障害機能障害者と家族の会および関連の団体の加盟があり、TKKは名実共に東京の当事者団体連合となっています。この日は新メンバーの参加もある中、都のモデル事業、自立支援法、ホームページ、会則等についての討議が行なわれました。中でも2名の委員を送るなどTKKも関わっている都の「地域支援ハンドブック」については、事例作成などハンドブックの内容にも踏み込んだ話し合いが行なわれました。時間切れのため持ち越された、ホームページの内容や会則の変更、ハンドブックの事例紹介などの議案については、メーリングリスト上に場を移し討議が続けられています。この日、選出された新役員はつぎの通りです。   (田辺和子


代表:      矢田千鶴子 (調布ドリーム) 

副代表:   今井雅子   (高次脳機能障害者と家族の会)

副代表:   田辺和子   (サークルエコー)

事務局:   高橋俊夫  (サークルエコー)

渉外:    小沢京子  (ハイリハ東京)

HP:     神田明夫 (ハイリハ東京)

会計:    太田三枝子 (高次脳機能障害者と家族の会)

監査:   板野遵三郎 (脳外傷友の会「ナナ」東京地区会)

☆TKKのホームページができました http://www.brain-tkk.com


モデル事業終わる 

厚生労働省が平成17年度まで5年間にわたり実施した高次脳機能障害支援モデル事業の最後の大きな行事として223日にシンポジウム、24日に地方拠点連絡協議会が埼玉県所沢市の国立リハビリテーションセンターで行われました。取りまとめの国リハからは「モデル事業によって、医療面では、診断基準や訓練プログラムの提示、診療報酬の設定などはっきりとした進歩があった。社会生活上の支援については、今後、自立支援法の枠組みの中で一般施策として全国に展開していく」という説明があり、最後には「普通は研究事業と訓練モデル事業は別にやるのに、これは研究と訓練も一緒にやったのでで大変だった。」と5年間の苦労の胸の内がうかがえる発言もありました。

23日のシンポジウムでは、当事者団体の委員として、日本脳外傷友の会の東川悦子氏、高次脳機能障害者家族の会の今井雅子氏、サークルエコーの田辺和子の意見発表も行なわれました。サークルエコーから両日でのべ10人が参加したことは会員のモデル事業に対する関心の高さを表していると言えるでしょう。

サークルエコーの活動を通して

2006.2.23 高次脳機能障害支援モデル事業公開シンポジウム

                              サークルエコー 田辺和子

@ 高次脳機能障害を考えるサークルエコ

     1998.12  設立 3家族のプライベートな交流から

2000.5 「えこーたいむ」開始(渋谷にて第1/3土曜)

   現在、全国から30人ほどの会員(その他150人の賛助会員のうち15人の当事者家族)

    9割は低酸素脳症の後遺症(心筋梗塞、喘息、水の事故など)身辺処理にも介助が必要な人が多いサークルエコ    ーの会員にも低酸素脳症の後遺症と言われる人にも、多様な症状と障害のレベルがあるが、見逃されがちな重      度の問題に、サークルエコーとして取り組んでいる。

   A 低酸素脳症による高次脳機能障害者の手帳取得状況 

低酸素脳症による高次脳機能障害者は、身体/精神手帳の取得率が高く、等級も高い。このことは重度者が  多い実態を反映している。              

(回答数31名 データ提供:東京医科歯科大難治研究所2004 調査対象者は日本脳外傷友の会正/準会員団体所属の会員

       表1)身体障害手帳取得 87.1%

       うち1級 48.2%

         2級 11.1%

      表1)身体障害手帳取得 87.1%

       うち1級 48.2%

         2級 11.1%

     表2)精神障害手帳取得 54.8%

       うち1級 52.9%

         2級 47.1%

B    低酸素脳症の人たちの自立度(FIM/FAM調査の32項目を脳外傷と比較すると、概ね自立度は半分   以下、介助度は3倍から4倍である。(データ提供:東京医科歯科大難治研究所2004

       【参考】( )内は脳外傷者など調査全体

      食事                      整容                      
    完全自立+修正自立38.8% (70.1%)    完全自立+修正自立32.2% (58.2%)
    全介助+最大の介助12.9% (3.1%)    全介助+最大の介助32.2% (7.7%)                      
    入浴
    完全自立+修正自立22.6% (62.1%)
    全介助+最大の介助29.0% (9.5%)
   

       上半身更衣                                   表出                             
      完全自立+修正自立32.3% (66.2%)     完全自立+修正自立19.4% (46.8%)
      全介助+最大の介助22.6% (6.6%)   全介助+最大の介助38.7% (8.5%)  

      市街地移動
     完全自立+修正自立9.7% (41.3%)                                                全介助+最大の介助51.6% (20.6%)

   C  リハビリテーション病院の受け入れが進まない

   重度の人たちからの相談で多いのが、リハビリテーション病院で受け入れてもらえないということ。声をあげる    、指示が通らない、リハビリテーションの効果がない、手がかかるなどがその理由。そのため、当事者同様、       介護家族  も混乱の最中にあるときに在宅介護となり、双方の混乱が輪をかけあっているという例は多い。

   重度の人もリハビリテーション病院で受け入れていただきたい。そこで、適切なリハビリテーションを行なうと   共に、介護者に対し情報の提供や介護指導を行い、家族や介護者全員が障害を理解できるようにすること      が重要。退院するまでには、在宅介護を可能にするための環境調整への支援も必要。


D  環境調整への支援

        地域資源の開発や近所の理解などの環境調整地域センター、デイケア、小規模作業所、ショートステイ、ヘ         ルパー住環境など物理的な環境調整リフォーム(安全、分かりやすさ、行方不明の予防)このような環境        調整を、入院中に在宅に備えてリハビリ病院や地域の支援コーデェネーターなどのアドバイスを受けながら        行い、その後も実情に合わせて調整していく必要がある。

 

 E    それぞれの場での課題は

  地域の福祉の場に対しては、はじめて受け入れる際の指導、ステップに応じたアドバイス、問題がおきたと     きに 相談するなど、場面ごとに支援コーディネーターの役割は重要。

  就労支援のためにジョブコーチなどの研究や試行がされ始めているが、自らの意見を言えない重度の人に    対し、あてがいぶちのものにしてしまう傾向がないだろうか。

  社会資源の利用では、十分なカンファレンスが行なわれ、支援者が高次脳機能障害及び利用者の特質を    よく理解し効果をあげている例もある反面、会員からは、施設の特徴を反映した次のような問題点があげら     れている。

        知的 → 自立した過去が秘められている。指導するという態度は当事者に受け付けられない。            身体 → 身体介助がないと放置されやすい。そういう中で行方不明を心配し、個室に放置されるということ              も起きている。

    精神 → あいまいさに戸惑う。分かりやすい合図、声かけが必要。 
        介護保険 → 運動量が少ない。世代が違いすぎて関心が異なる。高齢者の葬儀に直面し、自分の葬儀                  だと混乱した者もいる。

 

  F    「親なき後」ではなくて

    生活の場として、グループホームやケアホームは切実な課題だが、「親なき後」の備えとして語られることが   多い。目の前の課題が多い現状では、「備え」は先送りにされてしまう。その結果、独立して住むべき年齢の    人たちが、いつまでも親掛かりの介護状態に置かれている。自立して住んでいた者も親のもとに帰ってきて    いる。自立支援法で、世帯収入の調査が行われ始めていることでも明らかだが、行政は、世帯での介護と   いう一昔前の家族介護の形に戻そうとしているところがある。

  成人した息子や娘が、親から独立した生活の場を持っている姿を見守り、必要があれば改善の手助けや代    弁をしていくことが必要である。高齢になるまで親が抱え込み、世話が出来なくなって、選択の余地なく「後   はよろしく」と行政の判断に任せることになるのでは、当事者の戸惑いは大きく、障害が悪化する。

   ・成人したら「グループホーム」などで独立したくらしを。   

   ・設立や相互利用への支援を。

   ・独立した生活のためには、成年後見制度の充実と使いやすさを。

 

   G 取り組みにより可能性が大きく広がる人たちです

モデル事業では、高次脳機能障害者の多彩な症状、社会との関係において生まれる問題などが明らかになって  きたが、重度者にも同様に多様な問題があることは、一般には、あまり問題にされていないように思われる。

重度者をひと括りに捉えて、知的障害や身体障害の社会資源の利用を可能にするというだけでは支援方法を示    したとは言えない。自立して生活した過去の経験は、重度の人たちの中にも豊かに残っていて、知能の低下だ    けに  着目した指導的な援助は当事者に受けつけられない。

サークルエコーの会報には、2年間、障害のために笑わないと思われていた人が、他の場所では笑顔が多い人と   思われていること、ある場所では、まるで意欲がないように見えた人が、他の場所ではいきいきし始めるなど、    対応次第で生活の質にどれほど違いがでてくるか、様々な姿が描かれている。重度者には、リハビリテーション   の効果が出にくいと言われるが、実は、取り組みにより可能性が大きく広がる領域であることが分かる。

これらの人たちの実態に関しては、ほとんど手付かずの状態である。早急な実態把握と支援法の確立、地域資源  の開発などを望んでいる。


  日常の暮らしから

  サークルエコーの会報から、身辺処理にも介助が必要な会員と家族の生活を拾った。

 

  ■ 会報には、在宅介護を難しくしているものに「声」の問題があることが随所に書かれている


 声の問題 

○ 一番困ったのは声の問題です。意思表示と理解したくともその言葉にならない声に、一日中付き合うのはとても辛いものです。病棟のエレベーターを降りると、廊下いっぱいに主人の声が聞こえてきて、その声で私も心が押しつぶされそうになりながら病室に向かいました。(20055月号)

○ ショートステイ施設を利用する当会のメンバーの中には、発語がなく奇声をあげる人がいて、1日の大半を個室ですごしている。(20054月号)

○ 公共の電車とかそういうとこだと、ちょっと声が出ちゃうんですね。結構大きい声で。で、静かにしてって言っても止まらないんです。(エコーHP http://www.circle-echo.comより)

○ 大学名と学部、友人の名を毎日聞き取りにくい声でつぶやいています。忘れたくないからでしょうか。(20014月号)

 

  ■ しかし、その状態を乗り越え、または、否応なしに在宅介護に踏み切ってしばらく立つと変化が現れてくる。

   安心の場での変化 

○ 人にチョッカイを出しては笑ったり、表情が豊かになりました。トイレと食事だけで後はイライラしている彼を見ていたときは、脳が回復しなければ楽しんだりできないと思っていました。でも、いま持っている力で遊んだり楽しんだりできるのです。(200010月号)

○ リビングではさっそく兄弟の乱暴なスキンシップが始まる。兄が弟の方に手をまわし、ソファに押し倒す。兄の体重の下で起き上がろうともがきながらも嬉しそうな表情の弟。20代も後半の兄弟がまるで子供のようにじゃれあっている。しかし二人はこのような方法でしかコミュニケーションのとりようがなくなってしまっているのだ。( 200210月号)

    不安を抱えての退院でしたが、なんと気抜けしてしまうくらい静かで今までの苦労は何だったの?という感じです。声は落ち着くものだったんですね。ただ、今度は介護拒否がひどくててこずっています。 帰宅早々、連日何人ものヘルパーさんに囲まれておむつ替えや、リフターに何度も吊るされるなど、主人にとっては苦痛だったんでしょうか。それでも娘がどんなにしつこく構っても耐えているんですよ。娘にたいしてだけ笑顔が出てくるようになりました。(20034月号)

○ 最近、嫌なオムツ換えも顔(仁王様顔)で我慢して、声を出さなくなりました。ある時間が過ぎるとすが・・・(200310月号)

○ 主人は意思疎通が難しい中で、唯一娘とコミュニケーションがとれる遊びがあります。主人は車椅子に乗ったまま足で娘を蹴って、ブランコをこぐようにして揺らしてあげます。娘はキャーキャー言って喜び、主人も顔をくしゃくしゃにして笑いながら蹴飛ばしています。(略)この間は私が油断してお尻を向けてしまい、後ろから蹴飛ばされてしまいました。振り返ると主人が楽しそうに笑っていました。(20037月号) 

○ 2年間一度もデイケアで笑ったことがないとされる人がいる。他の施設からは、利用時の2年間一度も笑顔を見たことがないと言われている。けれど、その方が家庭やその他の施設ではたくさんの笑顔を見せる。うれしい時、楽しい時、彼らは笑う。不安なときは声をあげ、訴える。今、感じたことがだれよりも大きく表現される。(20055月号)

 

  ■ それでも、問題は次々にやってくる。支援は急を要している。

  家庭生活での困難

○ 朝起きる、顔を洗う、歯を磨く、食事をとる薬を飲む、吸入するそんな普通のことができませんでした。いちいち指示しなければできないということが分かりました。こんな生活が今も続いています。(200010月号)

○ 体調が悪いため歩くことができない娘を、私はおんぶして移動させなくてはならず肉体的に疲れ、怒鳴られるので精神的にも、だんだんと疲れてきました。家庭にあっても娘の介護は私に代わる者がなく、私が病気したときに受け入れてくれる所がないのがとても不安です。(20017月号)

○ 子どもたちは、自分たちのごはんを食べられてしまうので、隠しながら食べていたり、夜は父親の不穏から、寝室を別にせざるをえませんでした。 同じ部屋で寝起きする私は、2段ベッドの上の段で寝ることにしました。(20044月&7月号)

○ (妻の)介護は長女が仕事を辞めてする方法を選んだ。家事や散歩を長女と一緒にするようにしていたが、今までのように出来ないことから長女が注意すると癇癪をおこし、髪の毛をつかみ怒り出すこともあった。長女はノイローゼ気味になってしまった。退院後4ヶ月ほどこんな状態が続いたが、思い切って自分も会社を辞めた。(略)サラリーマンから離れて当初は悔しさ、悲しさ、無念さ、後悔等、辛い気持ちが覆いかぶさっていたが、時の経過が和らげているのか、サークルエコーを通じ同じ境遇の人も沢山いることを知ったためか、前へ進まなければという気持ちがでてきているのも感じている。(200210月号)

 

スタートした「障害者自立支援法」

この法について最初の関わりは昨年5月の日本障害者協議会主催の日比谷公園でのフォーラムであり、各政党、障害者団体がそれぞれ意見を発表されていたことを思い出す。
 4月から利用者負担、10月から福祉サービス体系へと段階的に実施されていくが、内容を正しく把握するには障害福祉の歴史、法制度等、基本となる背景知る必要を感じる。
 そして「3障害一元化」とは言うが高次脳機能障害、特に「精神障害」の手帳制度・施設利用のあり方を他の障害と比較しながら考えねばならないと思う。
 高次脳機能障害者支援は「地域生活支援事業」の枠組みの中で「支援普及事業」から具体的に動き出すようだがジックリ見守って行く必要がある。  高橋(俊)

 

伊地山さん親子を特別講師にお招きして 秋草学園福祉教育専門学校

専任講師 笹尾雅美

去る2006210日、秋草学園福祉教育専門学校に、伊地山悠子さん・敏さん親子を特別講師にお招きして、高次脳機能障害に関してお話していただきました。お二人をお招きした目的は、今春より介護福祉士として現場で働く学生の高次脳機能障害に関する理解を深めることにあります。主な講義内容は、@悠子さんが高次脳機能障害を持つに至ったいきさつ A同障害の原因と症状 B悠子さんが友人ベッキーに英語で書いた手紙の朗読の3点でした。講義後、85人の学生を対象に実施したアンケート結果と、高次脳機能障害に関する学生の認識を以下にまとめました。

アンケート結果として1点目に、高次脳機能障害の認知に関して、講義以前に同障害を「知らなかった」という学生が47名、「知っていた」という学生が38名いました。知っていた学生のうち、「言葉のみ知っている」と回答した学生34名、次いで「原因や症状を知っている」7名、「生活実態を知っている」2名、「高次脳機能障害を持つ利用者と接したことがある」「社会制度を知っている」がそれぞれ1名でした(重複回答有)。2点目に、高次脳機能障害を持つ利用者を介護する場合、現在の知識や技術で十分な援助が出来るかどうかという質問に対しては、「出来る」と回答した学生が26名、「出来ない」と回答した学生が54名いました。「出来ない」と回答した理由に関して、自由記述を求めたところ、40名の学生が、「専門的知識や技術の不足」を挙げました。その他、「経験不足」「環境の未整備」「障害がわかりづらい」という理由も順に挙げられました。3点目に、若年の高次脳機能障害を持つ利用者を介護する場合、必要だと感じたことに関して自由記述を求めたところ、多少重複しますが多くの回答が挙げられたので列挙します。「高次脳機能障害の原因や症状を理解する」「個別理解を大切にする」「個別計画を立てて援助する」「声かけに工夫する」「コミュニケーションを重視する」「見守りをする」「過去の記憶を大切にする」「写真や日記などの記録をつける」「あきらめない介護」「残存機能や可能性を見つける介護」「将来の夢を大切にする」「家族と協力し合う」「生活意欲を引き出す」「ゆっくりの介護」等々が挙げられました。

 

上述のアンケート結果から、高次脳機能障害に関する学生の認識についてまとめます。まず、85名のうち「知らなかった」「言葉のみ知っていた」を合計すると81名(全体の95%)となり、講義前は、ほとんどの学生が高次脳機能障害に関する知識を持ち合わせていなかったことが明らかになりました。次に、高次脳機能障害を持つ利用者を介護する場合、全体の3分の2が「できない」と回答したにもかかわらず、「専門的知識や技術を習得する」「経験をつむ」「利用者の環境を整備する」「障害の理解を深める」ことにより、介護が可能になるという認識があったことは非常に興味深いことです。さらに、若年の高次脳機障害を持つ者を介護する上で学生が自由記述した事柄(下線部参照)は、とても大切なことであると伊地山さんよりコメントをいただきました。介護科の学生や福祉現場職員が、高次脳機能障害の理解・個別援助・声かけ・見守り等の実践をすることにより、高次脳機能障害を持つ人々や家族の日常生活が向上するとのことでした。講義の終わりには、障害者手帳取得・障害者年金受給・教育・労働に関する問題も触れられ、多くの課題があることを確認して、有意義なうちに終了することができました。

最後になりましたが、ご多忙の中、秋草学園福祉教育専門学校の学生のために、労苦を惜しまず資料をまじえて講義をしてくださった伊地山悠子・敏さん親子に心よりお礼を申し上げます。当事者が語ることがどれほど勇気の要ることであったことでしょうか。特に、

悠子さんが事故後、ご家族をはじめ友人や医療・福祉専門職員に支えられ、大好きだった英語を朗読してくださった前向きな姿勢に、私たち学生・教員一同、多くの感動を覚えました。心よりどうもありがとうございました。

/16

TKK定例会    世田谷ボランティアセンター            (田、識夫妻)                                    

/18

サポート研     立教大                      (赤塚教授他、田)

/20

あゆたかジョイントGH見学会 グリーンスペースみずほ・同愛会(福島氏他、田、西

/23

モデル事業シンポ・発表/聴講 所沢・国立身障リハセンター(田、識夫妻、豊、村

/24

モデル事業協議会・委員/傍聴   同上         (田、伊、識夫妻、豊、村)

/26

会報印刷     多摩スポーツセンター    (西、伊、識夫妻、田川、村 計6名

/26

第6回「高次脳機能障害」学習会   瀬戸市保健センター       (豊、丹)       

/

TKK・都・高次脳機能障害検討委員会 準備会    都庁          (田)

/

えこーたいむ・「PICA展」見学  永倉氏           (西、識夫妻、村、篠 計7名)

/

三重県「高次脳機能障害地域支援セミナー」参加三重県人権センター (豊、丹)

/10 

第1回「フレンズ家族勉強会」     フレンズハウス        (豊、丹、計11名)

/11

〜18

脳損傷事情視察      オーストラリア・ブリスベン   (赤塚教授他、田)

/18

えこーたいむ                   (谷、西、識夫妻、田川、大島 計9名)

/19

横須賀高次脳機能障害家族の集い   身障相談サポートセンター     (田川)

/24

中島教授と懇談       二子玉川                        (田)

/30

TKK・都・高次脳機能障害検討委員会 準備会    都庁          (田)

/

えこーたいむ     (角田香織氏、田、谷、西、伊、識夫妻、田川、大島、村、高、篠、計13名)

/

瀬戸市市民活動促進補助金の公開プレゼンテーション参加 パルティ瀬戸

「高次脳機能障害の啓蒙活動による支援ネットワーク作り」事業を受諾 (豊2名)

/12

TKK定例会    世田谷ボランティアセンター     (田、識夫妻)

/15

えこーたいむ             (吉野氏、田、西、伊、識夫妻、田川、大島、計11名)

/17

取材         狛江ボランティアセンターあいとぴあ         (田)

/21

会計監査      狛江・田辺宅         (田、西、識夫妻、塚、 計6名)

/30

打ち合わせ     調布福祉会館                 (矢田TKK代表、田)       

/

JD作業部会    戸山・障害者福祉会館                (田)

/

市川市・高次脳機能障害の当事者・家族が集う会  市川市急病診療ふれあいセンター

竹野氏、山口氏、千葉リハSW、他(金子氏、鈴木氏、西、伊、識夫妻、田川、村、高、計11名)

/11

TKK・都・高次脳機能障害検討委員会 準備会 都庁            (田)

/12

第2回「フレンズ家族勉強会」     フレンズハウス     (豊、丹、計15名)

 

「脳を守ろう」         

1970年刊の雑誌「思想」に「医学と医療」というタイトルで白木博次(府中療育センター院長、当時)は、重度障害の人たちの問題ほど、福祉の意味、障害者の人権、社会と医療の接点などの諸問題について深く考える機会を提供させられるものはないと書いています。また、交通事故によってひどい脳のキズを受けた患者を救命させる脳神経外科医の脳裏には、救命後の問題への心配がちらつくのを禁じえないであろうと述べ、このような損傷を受けた人に対し、積極的なケアや治療の可能性が与えられ、この人たちがそれなりにではあっても社会復帰できるならば、先ほどのような医師の悩みも解消することは間違いないと述べています。また、脳を守ろうという決意は、医師側と同時に社会の側からも生まれてくるものでなければならず、それができないのを経済力のなさなどと簡単に片付けてしまうのはあまりにも安易であると断じています。白木はまた、他の2人と共著で「脳を守ろう」(岩波新書)を出しています。そこには、脳卒中や頭部外傷、脳炎などによる脳障害のことが書かれています。モデル事業の最中、これらの本に出会い感銘を受けました。残念ながらすでに絶版になっていますが図書館などでお読みになれるかもしれません。

                                  (田辺和子)

・白木博次(1970)「医学と医療―重症心身障害の考え方との関連において」『思想』岩波書店No.549 408-422

・白木博次・佐野圭司・椿忠雄(1968)「脳を守ろう」岩波新書

☆今年度も賛助会員へのご協力宜しくお願いします☆

年会費(4月〜3月1口2,000

郵便振替        00180-0-546112 サークルエコー      

     正会員(当事者家族)は、年会費3,000円です☆

 

(セミナー) 脳外傷者の地域生活支援

日時 : 7月8日(土) 午後1時〜4時

場所 : 名古屋市立大学本部4階ホール(名古屋市瑞穂区瑞穂川澄1)

主催 : 名古屋市総合リハビリテーションセンター高次脳機能障害支援部

講師 : 小川喜道「イギリスにおける脳損傷者の地域支援について」

麦倉泰子「オーストラリアの福祉サービスにおける在宅生活支援について」

     納谷敦夫「オーストラリアにおける脳外障治療と当事者運動。脳外傷者の家族として」

 

 

6月〜8月のエコー行事予定

*えこーたいむ 

/3(総会)・17、7/1・15、8月は夏休み (変更する場合があります。ご確認下さい。)

*多摩エコー*  随時      *ナノ*  随時 

*フレンズハウス(瀬戸市)* 毎週(月)、第1 3(金、土)、第3(水)

☆ホームページ☆

サークルエコー

http://www/.circle-echo.com

ナノ

http://www.nammy-net.com/nano/index.htm

サークルフレンズ

http://cfriends.at.infoseek.co.jp/

 

<編集後記>

5月6日、我が町・市川市に於いて「高次脳機能障害の当事者・家族が集う会」が開かれ、サークルエコーの会員が話をしました。エコーからは他のメンバーも合わせて10名が参加。しかし市川の会とはいっても南房総や習志野市、川口市からも参加され、地域に相談できるところがないという現実を目の当たりにしました。自立支援法も始まり、ますます狭間の障害とならないよう声を上げていく必要性を痛感しました。市川の会の報告は次号に掲載予定です。 (村田道子)       

 
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