高次脳機能障害を考える
サークルエコー
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SSKU
VOL.10(2002年7月号
[主な内容]
・特集 「ヘッドウエイ・イースト・ロンドンを訪ねて」
・エコーギャラリー
・行事・会合報告
・支援拡充について要望書を提出(JTBIA名古屋シンポ)
・手記「回復を願って 新たなる一歩」   
――― わたくしたちの会は―――  

事故や病気によって脳にダメージを受けると、新しいことが覚えにくくなったり、意欲が低下したり、感情のコントロールが難しくなるなどのため社会生活の様々な場面で問題が生じることがあります。このような後遺症を高次脳機能障害といいます。目に見えにくい障害のため、社会の理解を得にくいこと、したがって現行の福祉制度を利用することが難しい点が大きな問題となっています。サークルエコーは、高次脳機能障害をとりまく様々な問題の中で、特に「介護」の必要な重度の障害について取り組んでいます。
週末の活動場所 「えこーたいむ」 1・3 (土 ) pm 1時〜5 時

東京都渋谷区神宮前 5-30-3 ニューアートビル4階 神宮前作業所

ヘッドウエイ・イースト・ロンドンを訪ねて
3月まで杏林大学医学部付属病院・言語療法部門において、高次脳機能障害などのリハビリに従事してこられた言語聴覚士の神山政恵さんに、英国の脳損傷者のための団体、ヘッドウエイの取り組みについてのリポートをロンドンから寄せていただきました。

神山政恵
1) ヘッドウエイ・イースト・ロンドンに辿り着くまで
 夫の在外研究に伴い渡英することになり、4月中旬にロンドンに到着しました。その後、ゲスト・ハウスに宿泊しながら家を探し、家が見つかった後は慌しく引越しをして、様々な手続きに明け暮れました。そして、やっと落着いた5月後半にロンドンの東に位置するホマートン(Homerton)という所にある「ヘッドウエイ・イースト・ロンドン・デイ・ケア・センター(Headway East London Day Care Centre)」に見学に行く事が出来ました(なお、ここは幾つかの言い方もあるようですが、正式には「アルフレッド・ヒース・センター(Alfred Heath Centre)」という様です)。長い間、大学病院で高次脳機能障害者の評価・訓練に従事していましたので、渡英したら真っ先にヘッドウエイに見学に行きたいと思っていました。
 このセンターに見学に行くまで、始めはインターネットのweb siteに掲載されているロンドンの幾つかのグループに電話を掛けてみましたが、どこも留守番電話で、こちらの主旨を話しておいたのですが、どこからも応答はありませんでした(注1)。私の英語力不足のためかもしれません。そこで、渡英出発前の3月に脳外傷友の会主催の「バーバラ・ウィルソン先生を囲む会」でお会いしたウィルソン先生(Dr. Barbara Wilson)(注2)にメールで事情を訴えました。直ぐに先生から返事があり、ノッテングハム(Nottingham)にあるヘッドウエイ本部の事務所(注3)を紹介してもらい、その事務所にメールで連絡しました。その後、事務所の責任者のキャシーさん(Ms. Cathy Durrant)とメールでやり取りをして、今度はイースト・ロンドンの事務所に連絡して・・・という様々な手続きが必要でした。ですから、前日はやっと見学に行くことができるんだ・・・となかなか寝つけませんでした。それから、初めてイースト・ロンドンに行くという心配もありました。 
私は、現在ロンドンの北西部に住んでいて、通称チューブ(tube)と言われている地下鉄で何処にでも移動出来ます。しかし、このセンターのあるホマートンという所はハックニー(Hackney)という地域にあり、地下鉄が通っておらず、ある人の表現によれば、ロンドンの中央部から近いのに「陸の孤島」と呼ばれているそうです。そしてその見学の日、私は初めて1人でナショナル・レイル(National Rail:今は分割民営化されていてBritish Railとは呼ばない路線です)に乗ってホマートンに向かいました。
 2) ヘッドウエイ(Headway―the brain injury association)
さて、前置きはこの位にして、ヘッドウエイについて少し説明します。(本部事務所からのパンフレットによると)ヘッドウエイは、1979年に設立された英国の脳損傷者の為のセルフ・ヘルプ(当事者たちの自主的)団体で、脳損傷者に情報を提供したり、当事者はもちろん家族やその周囲の人たちへの援助・サービスを行ったり、脳損傷者への理解をアピールする等の活動をしています。本部の事務所は、ロンドンから鉄道で約3時間かかるノッティングハムという所にあり、現在約110の地方支部と、約50のヘッドウエイ・ハウス・センター(Headway House Centre)があります。資金面は殆ど個人の寄付に頼っているとのことですが、2002年4月の時点では約30冊のリーフレットを出版し、その収益を資金に運用しているそうです。リーフレットは、例えば「脳損傷とは何か?」「脳損傷者の心理的問題点」「脳損傷者の職場復帰」など様々な側面から脳損傷者の援助をしようとする観点で誰にでも分かるように易しく書かれています。
 3) ヘッドウエイ・イースト・ロンドン(注4)のあらまし
ホマートンにあるこのセンターは、先程述べたノッティングハムの事務所のキャシーさんからメールで「現在ロンドンで唯一のデイ・ケア・センターです。ぜひ、見学されることをお勧めします。」との事でしたが、実際に見学してみると久しぶりに臨床現場に触れたためか、また皆さんがすんなり私を受け入れてくれたためか楽しい1日となりました。
まず、ホマートンの駅から道に迷ってこのセンターにやっと辿り着くと、責任者(Manager)のミリアムさん(Ms. Miriam Lantsbury)が出迎えてくれました。そしてまず、ミリアムさんからこのセンターのあらましについて聞くことが出来ました。ミリアムさんによると、このセンターは4年前にオープンし、昨年から週3日間開館できる体制になり、現在では45人ほどの当事者を受け入れているそうです。1日の開館時間は午前10時から午後3時半までで、スタッフは5人です。専門のセラピストが対応しているわけではなく、時々作業療法士などの専門家に来てもらう様です。利用者は様々な地域から家族が車で連れて来たり、1人で来ている人もいる様ですが、車椅子の人は特別な車を頼み通所しています。週に2回の人もいるし、週に1回の人もいるそうですが、今日のグループの人は記憶障害・身体障害・コミュニケーション障害・情緒や行動の問題等あらゆる問題をもっている人達で、年齢は幅があり、30〜40歳代の男性が多いと説明されました。また、責任者の役割について聞くと、主に財政面の手配や行政との交渉(このセンターにはロンドンの色々な地域から通所者が来ているので、その地域からの助成金をもらうため)、ソーシャル・ワーカーと話をしたり、センターの運営企画を立てたり、書類を作成出来ない通所者の手助け等・・・あらゆる事を主に1人でしているとの話でした。
 4) ヘッドウエイ・イースト・ロンドン午前の部
 その話を聞いた後、今度はデイ・ルームに通されました。デイ・ルームには、大きなテーブルが2つあり、1つのテーブルでは絵を描いている人やタイルでモザイクの鏡を作る作業をしている人など様々な事をしていました。また、もう1つのテーブルでは7人でトランプをしていました。このトランプのゲームが何というゲームなのか私には良く分かりませんでしたが、ルールが理解出来ない人や手にカードを持つことが出来ない人には、ボランティアの人が付き添い、上手に援助していました。
 その横のソファーでは、ひたすら新聞を読んでいる人や2人で話し込んでいる人たち等がいました。またソファーの前にあるビリヤード台では、ビリヤード(英国では、スヌーカ:Snookerというゲームになる)に興じている2人がいました。何だかみんな自分のペースで好きな事をやっています。ビリヤードをしている1人に「こんにちは(Hello)」と声をかけると、色々話してくれましたが、はっきりとは分かりませんでした。後に、他の人が「彼は、いつもそうなんだよ。ぺらぺら話してくれるけど、取り止めがなくて同じことを繰り返し話すだけ・・・。」と教えてくれました。どうも、私の英語の聴覚的理解力が悪いだけではなく、失語症など言語に問題がある人の様です。
 私が壁に貼ってある皆の絵の作品を見ていると、体の大きいヘンリーさん(Mr. Henry)が寄って来て、皆の顔写真が貼ってあるところを左手で指差し、いろいろ説明し始めました。それは、スタッフやこのセンターに通所しているメンバーたちの写真でした。写真の下に名前が書いてあり、曜日ごとのグループに分かれています。ヘンリーさんは、自分の写真を指差して「火曜日・水曜日・・・スタッフ・・・」と説明してくれました。どうも、週に2回通所していて、しかもボランティアとして皆さんのお世話もしている様です。そういえば、他の人達も自分以外の人が使い終えた絵の具等を当たり前の様に片付けています。このセンターでは、当事者もボランティアのスタッフとして参加しているのです。
 そのうち、他の人も今まで使用していた道具を片付け始めました。でも、知らん顔で相変わらず新聞を読みふけっている人もいます。ボランティアのショーナさん(Ms. Shona)が皆に注文を聞いてお金を集め始めました。それぞれ「フィッシュ・アンド・チップス(fish & chips)」とか、「チキン・サンドイッチ」とか好きなものを言っています。これから、皆さん楽しみにしているランチの時間です。
 その昼食の注文を聞いていたショーナさんが、私にも「ランチを持ってきた?」と聞いてくれました。実は、私はこのセンターを午前中いっぱいでお暇しようと思っていたのですが、このショーナさんの呼びかけで、皆とお昼を食べてから帰ろうかな・・・と思い、ショーナさんと一緒に買い物に行く事にしました。ショーナさんは、心理学専攻の学生さんです。今、心理職の就職中だそうです。この英国でも、日本と同じ様に心理職はやはり狭き門の様です。
 5) ランチの部
 ショーナさんとお昼ご飯を買って、センターに帰ると皆が今まで色々な作業をしていたテーブルの上にカラフルなテーブル・センターをひいて、ランチの用意が整っていました。皆それぞれ好きなものを食べ始めています。私が空いているテーブルの椅子に着くと、誰かが「ジュース?それとも水?」と言って、コップを持って来てくれました。この様なところが、さりげなくて良いですね。また、皆ファーストネームで呼び合うので(英国では、他の所でもそうですが)、誰が当事者で誰がスタッフなのか良く分かりません。
 食べている時に、同じテーブルの人達に私の名前を何度か尋ねられました。「まさえよ。ま・さ・え」と日本語ではっきり言っても、やはり聞き取りは難しいらしく「ま・さ・い?」と言われ、その直後誰かが、新聞を持って来てあるページを広げました。見ると、KENIYA http://www.masai/.・・・とあります。これは、ケニヤの観光案内です。どうも私の名前は、ケニヤのマサイ族と同じだと思われた様です。
 その後、食べ終えた順に皆さん席を離れて行きますが、先程のヘンリーさんやボランティアの人たちが手馴れた手つきで後片付けをしています。みんなバラバラの様で、バラバラでない。この手馴れた手順は、それぞれがどういう人で、どう行動するのか互いに良く分かっているから出来ることだと理解出来ました。

 6) 午後の部
 ランチが終了し、午後になっても、皆さん好きなことを各々やっていました。私も誘われて、トランプのグループに入ることにしました。これは何のゲームか直ぐに分かりました。神経衰弱です。日本でも、記憶の訓練で良く使われています。ただし、私は真剣に行っても元々苦手なゲームなので困ったな・・・と思っていると、直ぐに順番が回って来ました。ボランティアの人は私を含めて2人ですが、スタッフが1人入っています。Co-ordinator(注5)であるエリカさん(Ms. Erica Sompson)です。どうも重度記憶障害の通所者に付き添っている様です。その通所者が、カードを取ろうとすると「こっちの方が良いんじゃない?」と上手にリードしています。エリカさんのアドバイスで、その通所者はカードを沢山とれたので嬉しそうです。でもその通所者は直ぐに飽きて、他のゲームの方に行ってしまいました。エリカさんもそれとなく、その人を追いかけて行きました。そうこうしている内にゲームは進み、一番若いサミュエルさん(Mr. Samuel)とショーナさんの一騎打ちになりました。結局、サミュエルさんの勝ちになったのですが、ショーナさんはかなりがっかりしています。ここでは、ボランティアであろうと、通所者にわざとゲームに負けることはあり得ないようでした。また、脳損傷者の中には優れた即時記憶(immediate memory)や短期記憶(short term memory)が残存している人もいるということも分かります。サミュエルさんは、嬉しそうにカードの枚数を数えていました。その後、9人でクイズをしているところに誘われました。その他の人達は、相変わらず新聞を見たり、2人でゲームをやったり、キッチンで片付けものをしている人等マイペースで過ごしていました。クイズはボランティアのケティさん(Ms. Kathy)がカードに書いてある文章を読み(これは後で見せてもらいましたが、市販のものです。)、他の皆さんはテーブルの上に自分のティーカップを置き、お茶を飲みながらリラックスして考えています。ケティさんは「チキチキ・バンバンを作曲した人は誰?」とか「ピカデリー・サーカスを背景に書かれた小説は何?」等の問題を読んでいきます。誰でも分かった人が答えて良い様ですが、正しい答えが言われた時はケティさんは「正解!」と言い、誰からも正解が得られない時は「Bで始まる言葉よ」とヒントを出します。クイズの問題は英国に住んでいる人なら誰でも知っている、それこそ常識なんでしょうが、私にはチンプンカンプンでした。 そのうち、そのテーブルに「スイート(sweets)」が配られました。紙に1つずつ包まれたゼリーです。本日唯一の若い女性の通所者が、そのゼリーを他の人の分も含めて30個近く食べてしまいました。あっという間に包み紙の山です。でも、誰も何も言いません。もし、ここが日本の施設なら「他の人の分をとっては駄目よ」とか、「そんなに食べて、太るわよ」とかの注意が与えられるかもしれません。誰も何も言わないのは、英国の人達だからなのか、それともこのセンターの方針なのか、今回は尋ねるのを忘れました。次回、見学した時にぜひ質問してみたいと思います。
 3時半近くになると、ぼちぼち家族の人たちがお迎えに来ました。皆さん、家族が来ると嬉しそうに帰りの身支度をし始めます。ニコニコしながら、家族の人と「さよなら(Good-by)」と言って帰宅して行きました。残った人たちで後片付けが始まり、私も後片付けを手伝いながら、教材を見せてもらいました。オセロ・ジェンカ・チェスなどゲーム類は豊富にあります。また、ソファーの近くの棚には新聞や週刊誌・電話帳などもたくさんストックされていました。
7) 最後に
ボランティアのショーナさんが「どこまで帰るの?」と聞いてくれた時に、いつの間にか時間が経ってこのセンターで1日を過ごした事に気が付きました。ここは居心地が良く、誰がスタッフで誰が通所者で・・・といった事を感じたりせず、ごく自然に振舞いながら皆それぞれの役割を果たしていました。また、ここは家族の人や周囲の人達が、脳外傷である当事者達が安心して楽しく過ごせる場所を・・・という理念を実現させたセンターであると、初めて訪れた私にも十分感じられる所でした。この雰囲気が気に入ったので、またぜひ訪ねたいと思っています。ですから、日本の皆さんで一緒に行ってくれる方を募集しています。誰か、早く名乗りをあげてロンドンまで来ませんか?    (2002・5・29)

 (覚え書き)
今回、この様な稚拙な文章を載せていただいた「サークルエコー」の皆さんに感謝します。また、バーバラ・ウィルソン先生を紹介していただいた脳外傷の会の東川悦子氏や広島保健福祉大学の綿森淑子先生にも感謝いたします。さらに英国の福祉については、小川喜道著「障害者のエンパワーメント」(明石書店)を参考にさせてもらいました。重ねて御礼申しあげます。

(注1)

Headway―the brain injury association のweb site : http://www.headway.org.uk 後でミリアムさんから、ほとんどのロンドンのグループは月1回のミーティングだけを行っているので、グループの連絡先は留守番電話になっている事を教えてもらいました。

(注2)

Dr. Barbara A. Wilson:「記憶障害のリハビリテーション:Rehabilitation of Memory」など記憶障害のリハビリテーションに関する著作が多数あり日本でも綿森淑子先生の監訳で、「記憶障害のケア患者さんと家族のためのガイド」(中央法規出版)などが翻訳出版されています。

(注3)

Headway の本部事務所は、4 King Edward Court, King Edward Street Nottingham, NG11EW にあります。

(注4)

正式には、Headway House Alfred Health Centre と言い、186 Homerton High Street London E9 6AGにあります。

(注5)

上手に訳す事が出来ませんが、通所者の活動―例えば、コンピュータの使用を手助けするとか、絵を書く時やゲームをする時に援助するのが主な仕事だそうです。

(その他1)

ここに登場する方々の名前は、スタッフの方以外は仮名であることをお断りいたします。

(その他2)

「英国」と表現した所は、正しくは「イングランド」とした方が良いかもしれませんが、ここでは分かりやすいように「英国」としました。

エコーギャラリー
6月1日のえこーたいむは皆でサンドイッチを作り、ユウコ手作りのケーキでパーティ!!
永倉先生の言葉・・「美味しいです。」皆の言葉・・・「協力して作ったサンドはやっぱり美味しい。」
ケーキについて岩城先生の言葉・・「このしっとり感、色合い、なんとも言えないですね」
6月2日はヨシ君の誕生日。ユウコの手作りのシフォンケーキをヨシ君に渡す。
ヨシ君  「ありがとう」  
ダイちゃんがヨシ君の大好物のとうもろこしをヨシ君に手渡す。
ヨシ君  「ありがとう」
出席者一同 大きな声で  ハッピーバースデー 斉唱    盛り上がる。

☆新会員です。よろしく!☆
 突然生活が変わって早くも4年。以前とは違う特別な速度で過ぎていったような気がします。他の病気や怪我と違い、回復の可能性がはっきりせず、悩む時が多かったためかもしれません。この頃は本人への対応も要領を得、苛々も少なくなり落ち着いてきました。そんな時にサークルエコーに入会させて戴きましたが、今迄に無い角度から支えを貰い、共に考え、自分を励まし、この先の人生を意義あるものにしていきたいと思っています。高橋俊夫 ……(奥様の識代さんを介護)
多摩エコーだより ・調布市高次脳機能障害者の集い
 6月16日、15時から東京都多摩スポーツセンターにおいて調布市高次脳機能障害者の会が開催されました。サークルエコーから田辺(1)西田(2)伊地山(2)が参加。ヨシ、ユウコは体を動かすのが主目的だったにもかかわらず、何故か手間取って、その前段階の多摩スポセン使用に必要なカードを作るので精一杯。ヨシは次回作ることに。17時、W先生お見えになり、皆さんと歓談。
(先生)・・ 「生活して行く上で困ることは?」 (ユウコ)・・「記憶。脳がやられているから。」
(先生)・・ 「朝 何食べたか覚えてる?」    (ユウコ)・・「覚えてません。」
(先生)・・ 「それは困ることなの?」        (ユウコ)・・うなずく。
(先生)・・ 「今 何歳?」            (ヨシ)・・「わかんねーな。27歳かな。」
(後ろから影の声)・・「28歳です。」   (先生)・・「1歳位の違いはたいしたことないよ。」  
 ☆ ヨシ君は6月2日、28歳になったばかり。27歳と答えても十二分に満足のいく答えでした。(と)
ナノエコーだより・紫陽花ウォーク
 夜中大雨、早朝小雨でしたが迷わず決行!小雨の中、20名が水元公園に集まってくれました。
 毎日のように水元公園を歩いていると、四季の移り変わりを肌で感じます。午前は菖蒲、紫陽花、メタセコイヤの森をのんびりと初夏の空気を吸いながら、ウォーキング。5、6qは歩いたかな???
 お昼はそれぞれ自前のお弁当を「青年の家」でいただきました。たらふく・まんぷく・ダイエットにならず!!! 午後からは五十嵐吉夫氏の案内でバード・ウォッチング。双眼鏡の拡大で[あおさぎ・こさぎ・かわう・亀など]を見学。みどり亀がけっこう大きくなること、今の季節カルガモはいるけれどマガモはいない等、いろんな発見がありました。マサは「亀が見えない!!!」とご機嫌ななめ。どうも、あおさぎが邪魔をして亀を隠してしまったようでした。
 電車を乗り継ぎ一人で参加してくださり、軽妙洒脱に気配りをしつつ盛り上げてくれたYくん(彼も高次脳機能障害としての悩みを抱えています)、お父さんと頑張って全行程の7、8q近く歩いたNさん、障害センターから出席していただき一日中私たちに付き合ってくれたY氏、それぞれの立場から参加していただき、触れ合ってくださった皆様ありがとうございました。(ま)
支援拡充について要望書を提出   (JTBIA名古屋シンポ)
 日本脳外傷友の会(JTBIA)、脳外傷友の会「みずほ」など4団体主催のシンポジウム「脳外傷をめぐる現状と課題」が6月9日、名古屋市の鯱城ホールで開かれました。各地のサークルエコーのメンバー8名を含む600名近い参加者の真剣な眼差しが注がれました。
 近年、各地で当事者団体が設立され、活発な運動が展開されていますが、このような動きの中で、高次脳機能障害者、脳外傷者を取り巻く環境はどのように変わりつつあるのか、名古屋市総合リハ・蒲澤、みずほ副会長・古謝、NHKディレクター・夏川、厚生労働省傷害保険福祉部企画課・藤井(重藤さんの後任)の各氏が、それぞれの立場から現状を報告しました。とりわけ昨年から厚生労働省において始まった「高次脳機能障害モデル事業」について関心が集まり、モデル事業では法体系は崩さず、現行法の運用で支援したいとする厚生労働省に対し、それでは高次脳機能障害の多岐にわたる問題は解決できないなどの意見が出されました。
 最後に、JTBIA会長・東川悦子氏が、厚生労働省・藤井紀男氏に厚生労働大臣宛の要望書を手渡し、@ 高次脳機能障害を身体障害者福祉法の対象とすること A 高次脳機能障害者の実態に沿った診療報酬基準および支援費基準とすること B独自の社会参加促進事業を創設すること、を求めて散会し、8日のJTBIA運営委員会、交流会、9日の第2回JTBIA総会、シンポジウムの一連の行事が終了しました。(か)
フレンズだより・えこーたいむin名古屋
 6月9日、名古屋での第2回全国脳外傷シンポジュウムにエコーの4家族が出席、楽しい「えこーたいむin名古屋」も実現しました。シンポの終了後、ゆっくり話せる場所を探して、山内(3)丹羽(母)田辺(母)豊田(3)の総勢8人が、喫茶店まで移動。運良く8人で座ることが出来それぞれに注文。そして各々に飲み物がきました。「え!こんなもの(柿の種が入った小さな袋)が付くの。」「この位は普通、シュークリームやケーキが付くとこもあるよ!」「話には聞いていたけど・・東京には無いから」「東京でこんな店を出したら流行るでしょうね!」「あれ、このサンドイッチの卵ホットだ!」「卵焼きが入ってるから」「ホットサンドならパンも焼くでしょう?」「ホットサンドでは無くて、サンドイッチに焼いた卵が入っているの。」「ふーん、」と変に感心?する。そして、近況を話したり、シンポの話をしたり、主人同士、カズヤス君と田辺さん、近くでもなかなか会えない丹羽さんと私、話は尽きません。「えこーたいむ」に行きたくても行けない家族の貴重なえこーたいむでした。(ゆ
 第2回総会を実施!!

5月18日(土)、第2回総会を実施しました。出席者11名。平成13年度の行事報告及び決算報告、14年度の活動計画、予算案を決議、承認しました。

平成13年度決算報告は右の通りです。

 サークルエコーは、皆様からお寄せいただいた賛助会費によって運営いたしております。ご支援ありがとうございます。

今後共よろしくお願い致します。

ある日のエコー・メーリングリストから…サッカー観戦記
*W杯の日本チームが負けてしまいましたねー。残念〜〜!!でもここまでよく頑張りました。
決勝トーナメントに進んだだけでもすごい!!W杯はユタカさんの上にも元気をくれたようですね!!良かった!!(み)
*終わりました。外を走っている奴なんていねーよ。バスの中でそんな会話があったのでしょう か?いつもより早めにデイから帰ってきた息子とお茶しながら観戦しました。押せ押せムードだったのに、負けてしまった試合にトルコ大好き人間の息子なのに、心なしか目頭が赤かったので、負けた男達は何を思うか?聞きました。「一生懸命やっても、駄目な時の方が多い。男には後はないぜ。」玉砕型人間の息子らしい一言でした。「敗者復活って言う言葉もあるじゃない?」首を振るのみでした。「メルハバ メルハバ」と言って片手を挙げます。「宜しくだよ。これですべてに通じるんだよ、トルコ語」と言います。本当でしょうか?何かいつもこの手で誤魔化されています。誰か教えて下さい。ルールさえ理解していない、にわかサポーターのユタカ母の観戦報告でした。(ゆ)
*さすがユタカさん!!ここという時にはやはり哲学的なことを言うのですね!メルハバ……私には意味はわかりませんが、きっとユタカさんの言うとおりなのでしょう。ユタカさんの言うことは間違いない!!(み)

* いました。いました。ここにも1人トルコファンがいました。それは……我が家の主人。本棚にはやたらトルコの本が目に付きます。実は……ベリーダンスが好きなだけかも。(と)
サークルエコー行事・会合   
 3/23  ハイリハ東京    墨東病院          
 3/26  若年痴呆の会    江戸川総合区民ホール 
 4/2    高次脳連絡会・会合  都庁プチモンド  
 4/6    えこーたいむ 高橋識代さん入会(12名)                                      
 4/15  会報9号印刷  あいとぴあセンター  (3名)
 4/18  施設見学会 すみなす会「航」  横浜市金沢区 
 4/19  谷口パパお見舞・ナノエコー見学   足立区 (7名)
 4/24  集い (ヨシ、居酒屋デビュー)   川崎市「笑笑」  
 4/25  多摩エコー   狛江・T宅  
 4/26  多摩エコー   あいとぴあセンター・調布山本有三館 (5名)
 4/27  ハイリハ東京   国技館→曳船ボラセンター   
 4/29  HP委員会   狛江・T宅  (6名)
 5/2    相談窓口    狛江・T宅  
 5/6    陳情書提出  足立区議会 
 5/11  えこーたいむ  (16名)
 5/12  谷口パパお見舞  三郷順心病院  
 5/18  えこーたいむ(第2回総会) (11名)
 5/26  若年痴呆家族会・関東部会     都立老人医療センター  
 6/1    えこーたいむ(サンドイッチ作り)(12名)
 6/3    相談窓口    狛江・T宅   
 6/8    日本脳外傷友の会運営委員会・交流会  名古屋市 
 6/9    フレンズハウス見学    瀬戸市  
 6/9    脳外傷シンポジウム・えこーたいむin 名古屋 (8名)
 6/9    調布・高次脳機能障害者の集い   調布総合福祉センター  
 6/14  広報船橋取材   船橋アリーナ  
 6/14  傍聴「高次脳機能障害についての質問」 足立区議会 
 6/15  えこーたいむ     (13名)
 6/15  紫陽花ウォーク    水元公園    
 6/16  調布・高次脳機能障害者の集い   多摩スポーツセンター 
 6/17  高次脳機能障害協議会      都庁プチモンド    
 6/22  横浜・高次脳機能セミナー  横浜ラポール      

高次脳機能障害を認定 (大阪地裁)
 大阪府池田市の元アルバイト男性(38)が、シャッターに頭を打ち付けられるなどした結果、脳に障害が残ったとして損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は28日、原告側が主張していた「高次脳機能障害」を認め、加害者の男性(39)に4000万円の賠償を命じる判決を言い渡した。同障害は事故や病気で脳神経のつながりが切れた結果起こるとされるが、外見からは判断が難しい。患者団体などによると、同障害で損害が認められた判決は初めてという。
                                                    (毎日新聞 5月28日より)
回復を願って  新たなる一歩                                                             丸山重子
平成12年4月。仕事にも恵まれ、スポーツ少年団(学童野球)の世話役などをし、忙しい中でも充実した日々を過ごしていた主人が、入浴中に倒れるという突然の出来事以来、人生が一転しました。私の目の前で全身硬直痙攣が起きました。今でも目に焼き付いています。ウイルスにより脳に炎症が起き神経細胞を侵す、「ヘルペス脳炎」の始まりだったのです。やがて、ベッドが揺らぐ程の痙攣が1分間隔で重積して、呼吸が停止。心臓もいつ止まるかわからない、危篤状態になりました。人工呼吸器を装着し、昏睡状態が4週間も続きました。
「やあ、おはよう」と、何事も無かったかのように、目覚めてくれる事を信じて、必死に声をかけ、手足をさすり、涙を堪えながら看病をしました。結果的に「脳が萎縮してしまい、前頭葉・側頭葉にダメージを受け、高次脳機能の記憶力の低下が見られる」と、脳外科主治医より宣告がありました。
奇跡の生還を遂げ、家族全員で見守り・リハビリ訓練をしながらの在宅療養のスタート。ところが、前兆も無く起きる、意識障害を伴う痙攣発作に悩まされつづけました。私には、24時間気の休まらない日々が続き、その末に、私自身が胃の手術を受ける事に…。その予期せぬ事態へのショックから、入浴中に痙攣発作が起き、溺水状態で救急搬送。今度は「肺水腫」で、危篤状態となってしまったのです。この時も強い生命力で、繰り返す肺炎も乗り切り、治癒。
 しかしその後、痙攣発作の重積を抗痙攣剤で調整がつかず、高次脳機能障害の問題行動が多発。主治医より「リハビリ訓練も効果が上らず、社会復帰は完全に断念だろう」との宣告を受ける事態に。本人の親・兄弟にも病状・障害は理解されにくく、介護保険も該当にならず、途方に暮れる苦しい日々が続きました。
そんな中で秋田県医師会の先生と巡り合い、セカンドオピニオンの仲立ちをいただき、ワラをもつかむ思いで依頼。脳炎の後遺症に関して、神経内科医を受診する事ができました。「飛躍的な回復振りがみられ、あと一歩のところ。社会復帰に向けて、高次脳機能の詳しい検査をして、病状の評価を受ける。その上で、集中的なリハビリ訓練を行う事が大切。」と、診断を下さり、高次脳の専門医を紹介して下さいました。秋田県立リハビリテーション精神医療センターへ、ようやくたどり着く事ができたのです。今までは私たちが望んでも、手の届かなかった医療です。県内一の検査・リハビリテーションの設備、医療スタッフ、OT・ST・CPスタッフが受け入れてくれました。MRIによるヘルペス脳炎後の脳の状態から、検査は始まりました。抗痙攣剤の調整・てんかん発作の観察も同時に行ってくれています。転院後も意識喪失を有す痙攣発作が起き、予断を許さない状況です。現在は、病状の評価段階であり、記憶力のリハビリ訓練も試行中です。最近では表情も良くなり、自発性が出てきています。
 万に一人といわれた重い脳炎状態からの回復で、「一進一退」ゆるやかな階段を一歩一歩上るように進めてきたリハビリも、痙攣発作が起きるたびにまた始めからのやり直しでした。諦めてしまう事は、どうしても出来ないのです。大切な命を、生かしていかなければならないのです。私たちは命の重さを実感し、共に生きる喜びを噛み締めています。
主人の更なる回復を願って、今日まで前進してきました。多くの方々との出会いがあり、励ましや助言がありました。それを支えにして、私たちは今、新たなる一歩を踏み出したばかりです。
          ご支援ありがとうございます!!
2002年4月〜6月末までに賛助会費を納入下さった方々。(53名・敬称略) 
今年度も賛助会員へのご協力、宜しくお願いします。 
    年会費 (4月〜3月) :  1口  2,000円  
       郵便振替 :  00180−0−546112   サークルエコー
☆☆☆ ボランティア さ〜ん!! ☆☆☆
「えこーたいむ」で一緒に散歩やお手伝いをして下さる方をお待ちしています!!
(えこーたいむの日程は変更する場合がありますので事前にご連絡下さい。)
 7〜9月のエコー行事予定  
えこーたいむ  7/6、20、 8月は夏休み、 9/7、21           
○多摩エコー     随時
○ナノエコー   随時   

○ フレンズハウス(瀬戸市) 毎週(月)、第1.3(金)、第4(土)
 サークルエコー 連絡先 
 田辺 和子    〒201-0013 東京都狛江市元和泉2-7-1      TEL/FAX 03-3430-8937
 谷口真知子    〒340-0822 埼玉県八潮市大瀬1407-119       TEL/FAX 0489-95-5784
 豊田 幸子     〒489-0987 愛知県瀬戸市西山町1-60-20        TEL/FAX 0561-82-1498
☆ホームページ☆ サークルエコーのホームページを全面更新しました。是非ご覧下さい。
 サークルエコー    http://www.crcle-echo.com/
 正幸の父          http://www5b.biglobe.ne.jp/^Masa-Ta/indexhtmi.htm
<編集後記>                                                             
・日本中が沸いたW杯も終わり、いよいよ夏本番。ここ仙台では8月6日〜8日に開催される七夕まつりで、また熱気が訪れることでしょう!!エコーのみんなの願いをこめて、私も短冊を飾りましょう……(M.M)
・ブラジル優勝おめでとう!TVで出場国についての特集を見ていたら「ブラジル行きたい!」「ドイツ行きたい!」「トルコ行きたい!」と旅行熱に火がついてしまいました。エコーの当事者にとっては、出国の手続きなどはかなりの難関!だけど、いつか皆で海外に飛べたらいいネ!(K.T、A.T)
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